菊池 弘明 教授

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高校生へのメッセージ

日本の理系学科において、学生は男性ばかりで、女性はごくわずかなところがほとんどだと思われます。それに対して、津田塾大学は女子大なので、数学科の学生はのびのびと学生生活を送ることが出来ます。

数学科に入学することで得られる一番大きなものは「考える力」だと思います。これは抽象的な理論などを学ぶことで養えます。就職してから数学を使う機会がなくなったとしても、「考える力」はどこにいっても役立つと思います。

私の研究

専門は微分方程式です。微分方程式とは、未知関数とその導関数からなる関係式のことです。微分方程式には、いろいろ種類があるのですが、私はその中でも、光ファイバー中における超短パルスの伝搬など様々な物理現象を記述する非線形シュレディンガー方程式について研究しています。また、それに関連している非線形楕円型方程式と呼ばれる方程式についても調べています。

非線形シュレディンガー方程式に限っても、いろいろな研究対象があり、特に定在波と呼ばれる時間に関しては位相の周期的な変動にしか依存しない特別な形をした解を中心に調べています。

具体的な問題としては、定在波は存在するのか?ということや、存在したら、その定在波は安定かどうか?ということです。ここで安定であるとは、定在波に少し摂動を加えて時間発展させても, その後も形があまり変化しないことで、そうでないとき不安定といいます。最近は定在波が不安定な場合、どのように定在波から離れる解があるということを調べています。これらのことを関数解析や変分法とよばれる手法を用いて調べています。

非線形シュレディンガー方程式は現在も活発に研究されて著しく進展しており、また、魅力ある問題もまだ多くあるように思えます。この方程式の研究について、日本人による貢献は大きいです。私もそれに見習って、少しでもいいので、貢献していけたらと思い、日々精進していきたいです。

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