渡邊 あや 教授

  1. HOME
  2. 学部・大学院
  3. 渡邊 あや 教授
渡邊 あや先生 渡邊 あや先生

高校生へのメッセージ

「もし若き日に一生を貫くほどの友や師との心の交わりが与えられていたら、それは人生最大の幸福の一つに違いない。現代の社会や学校はこうした人間的な『出会い』の機会をどのくらい提供しているのであろうか。青年にとって知識以上にたいせつなこころの糧はこうした『われとなんじ』の体験であると思う。」

津田塾大学の卒業生であり、教壇にも立たれていた神谷美恵子先生の言葉です(『こころの旅』日本評論社)。高校卒業後の進路を考える中で、皆さんにとって、「人間的な出会い」の機会を与えてくれる場所が見つかるよう願っています。それが、津田塾大学であれば、とても嬉しいです。

私の研究

世界の教育を比較しながら各国・地域等の特質を探ったり、国際的な動向を把握したりすることを試みる比較国際教育学を専門としています。北欧のフィンランドをフィールドとして、主に、教育制度や教育政策に関する研究を行ってきました。調査や研究に従事する際には、フィールドワークを行うこともあります。中央教育行政機関や地方教育行政機関、高等教育機関や教育関連団体などでインタビュー調査を行うことが多いのですが、学校を訪問し、先生方にインタビューをしたり、授業に参加させていただいたりすることもあります。

個人研究としては、現在、主に次の3つの課題に取り組んでいます。

1.大学のガバナンスに関する研究

北欧諸国の大学は、①教授、②その他の教職員、③学生による「三者自治」と呼ばれるしくみのもとで大学の意思決定を行うなど、国際的に見てもユニークなガバナンス・モデルを有してきました。しかし、近年、高等教育のグローバル化の進展とともに、その伝統的なモデルにも変化が見られます。そこで、「高等教育のグローバル化により、各国の大学のガバナンス・モデルが収れんしつつある」という仮説を設定し、北欧諸国の大学を事例として、検討しています。

2.フィンランドにおける教育の地方分権化に関する研究

フィンランドは、かつては高度に中央集権化した国として知られていましたが、1990年代以降、教育の地方分権化を進めています。その改革の実相を、国と地方の役割分担や学校の裁量などの変化に着目して明らかにしようと試みています。

3.教育における北欧的価値の変容に関する研究

民主主義的価値観や、平等を基調とする教育政策・制度、公共財としての学校教育などに代表される教育における北欧的価値のうち、「平等性」に着目し、その意味の変容を政策分析等により、検証しています。
フィンランドの学校を訪問した際に頂いた子どもたちの作品。『となりのトトロ』は、フィンランドでも大人気。創造性を育む教材として、学校の先生たちの評価も高いです。
フィンランドの授業風景。リラックスして学習に取り組めるよう、大きなクッションの上で授業を行っています。集中できるとして、バランスボールを椅子代わりに使っている学校もあります。
Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.