吉岡 潤 教授

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吉岡 潤先生 吉岡 潤先生

高校生へのメッセージ

礼儀正しい学生ぞろいの津田塾大学で、最近、顔見知りの学生さんとすれ違っても挨拶をしてくれないことが増えてきたような気がします。スマートフォンの普及とともに、人々の目線が普段から下がってきているのでしょう。社会を見る目、時代を見る目も伏し目がちになっていませんか?目線を上げて周りを、遠くを、将来を見はるかしてみましょう。国際関係の理解はそこから始まります。

私の研究

歴史学が専門です。とりわけ現代史に取り組んでいます。現代は国民国家というあり方が世界中を覆い、ほぼ全ての陸地が国境線で区切られ、ほぼ全ての人間がどこかしら一つの国家に所属することになった時代です。戦争が繰り返され、国境線が引き直され、それに伴い難民や移民、強制移住やジェノサイドといった問題が深刻化した時代でもあります。これらの問題が凝縮して現われた時期として、第二次世界大戦とその戦後初期にあたる1940年代に注目しています。
地域としては東ヨーロッパが専門です。とりわけポーランドという国に取り組んでいます。ポーランドは、高校の世界史でもポーランド分割やナチスによる侵攻などで習うように、国家の消滅と復活を繰り返してきた国です。その度に国境線が移動し、住民構成も大きく変化しました。中でも第二次世界大戦前後の変化は劇的で、数百キロメートルの規模で国境線が動き、住民構成の点でもポーランドは少数派民族の占める割合が極端に少ないポーランド人国家へと変貌します。

ポーランドなんだからポーランド人の国というのは当たり前じゃないか、と思うかもしれませんが、歴史的にはこれはそれほど当たり前のことではないのです(日本も例外ではありません)。1940年代のポーランドで何が起こったのか、こんがらがった糸玉をじっくり、時間をかけてほどくように、複雑な過程を複雑なままに見ようとしています。
ポーランドの位置
ポーランドの位置
ポーランド国境の変遷
ポーランド国境の変遷
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