高垣 マユミ 教授

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高校生へのメッセージ

国際化・多様化などの変動が生じている現代社会で生活していく上で、みなさんたちには、家族・社会・教育・制度・環境・文化など、個人を取り巻く事象を多角的に理解する力が必要になります。これらの事象のダイナミクスを心理学的な視点から読み解いていくことは、女性の生き方に影響を与える見えない諸力を可視化する一助になると思います。

私の研究

近年の教育心理学における研究動向を眺めると、20世紀半ば以降に進展してきた、個人のもつ表象や知識の構造を解明する「情報認知主義」と、20世紀後半から出現した、他者とのやり取り等の社会・文化的諸変数との相互作用を問う「社会構成主義」とが、個別独自のものとして二分法的に論じられてきました。こうした暗黙の前提を問い直して、両派は相互補完の関係にあるという視座を提唱し、両派の知見を統合的にとらえる「認知的/社会的文脈を統合した学習環境」をデザインするという新しい試みに取り組み、その理論的な意義と実証的可能性を探究しています。
具体的には、われわれは、社会・文化・システム・他者・媒介物(コンピュータや教材)などのさまざまな学習環境との関わりをもちながら、学びを成立させていきます。こうした学習場面における「教授・学習過程」の領域に焦点を当てて、知識が獲得されていくメカニズムを多角的な視点から解明しています。「情報認知主義」のアプローチからは、「マルチメディアを導入した学習」や「学習者の動機づけを高める足場づくり」などといった教授要因が、学習者の知識獲得をいかに促進させるか。一方、「社会構成主義」の視点に立脚しながら、他者との協同構築における相互作用を通して、知識がどのように修正され新たに獲得されていくか。といった課題を取り上げ、教育実践(フィールド)に対して新しい知見を提供できる、理論的かつ実践的な研究を念頭に置いています。
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