佐藤 陽介 准教授

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佐藤 陽介先生 佐藤 陽介先生

高校生へのメッセージ

人間言語を研究することは、人類の知性の本質と誕生、そして人間に与えられた驚異的な創造性を理解することに他なりません。人を人たらしめる特性とは何なのでしょうか。現代言語学は言語の設計・発達・進化の理解というトリプルゴールを掲げ、今この究極的な問いに答えようとしています。英語英文学科では、人間言語の性質・発達・使用・処理・進化に関する研究を総合的に学ぶことが出来ます。この言語学という分野から一緒に「人の心の中」を覗いてみませんか。

私の研究

私の専門分野は、理論言語学(theoretical linguistics)と呼ばれる分野です。私は、その中でも、特に文や句の構造を研究する統語論(syntax)、語の仕組みを研究する形態論(morphology)、動詞の意味と構文の関係を研究する語彙意味論(lexical semantics)、そして構造を介して結びつく意味と発音の関係を探るインターフェイス研究(interface studies)を主軸としています。私はこれまで15年ほど、アメリカ、カナダ、シンガポールの研究機関で、日本語、中国語、口語シンガポール英語、インドネシア語などアジア諸言語の文法に特徴的に見られる現象(例えば、文中の代名詞省略や関連する削除現象や状態変化動詞の日英間の意味構造の違い、など)を手がかりとして、言語の構造を媒体とした意味と音声の関係を巡る言語の共通性と多様性とはどのようなものなのかを研究してきました。このような研究を日々行いながら、現在ではさらに、現代の代表的言語理論である生成文法理論(generative grammar)と認知言語学(cognitive linguistics)の接点となり得る時空間メタファーという現象の研究、言語接触 (language contact)を通じた文法上の通時的・共時的変化メカニズムと内的・外的要因の相互作用の研究、そしてこのような成果と人間の知性の起源・発達・進化の関係に関する研究動向にも研究上の視野を広げています。
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