井原 駿 講師

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井原 駿先生 井原 駿先生

高校生へのメッセージ

大学という場所は、皆さんがこれまでに触れたことのない新しい価値や知見と出会い、自分自身の可能性を広げ、世の中の物事に対する解像度を上げるチャンスにあふれています。しかし、そのチャンスをつかむためには、常識や偏見に囚われた「賢い自分」から自由になるための勇気と、新しい知識を積極的に取り入れる知性が必要です。私たち教員は、学問を通じてそうした勇気や知性を養う手ほどきをします。

私の研究

皆さんは、他人がふと口にした表現や文について「普通そういう言い方はしないんじゃないか」であったり、「言いたいことは分かるけど少し不自然な気がする」などと感じた経験はないでしょうか。私たち人間が当たり前に持っているこの直感は、対話型AIをはじめとする人工知能をもってしても完全に再現することは困難です。では、一体人間は何が特別なのでしょうか。このような能力を実現する大きな要因の一つとして、私たち人間がことばの持つ「意味」やそこに込められた「意図」を正確に理解していることが挙げられます。それでは、「意味」とか「意図」の正体とは何なのでしょうか。私たちが、無意識にことばに潜むさまざまな意味を理解している背後には、どのようなメカニズムがはたらいているのでしょうか。

このような問いに言語学的なアプローチで答えようとするのが、私の専門分野である形式意味論 (formal semantics) や語用論 (pragmatics) と呼ばれる領域です。私は、その中でも、使用する文脈によって意味解釈が変わるような多様な言語現象について研究しています。一見つかみどころのないような言語現象が、数学で用いられる集合や関数といった概念を使うことで限りなく科学的に(つまり反証可能性を保ったまま)分析できる点や、心理学や自然言語処理など隣接分野との親和性が高い点に、この分野の面白みを感じています。
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