郷路 拓也 教授

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郷路 拓也先生 郷路 拓也先生

高校生へのメッセージ

私自身の経験では、大学での学びを通してもっとも役に立ったのは 、「知性の基礎体力」が得られたことでした。これは、考える材料となる情報を集めて整理する力、自らの手で世界から新たな情報を引き出す力、そして情報を元に論理的に考え論じる力を指します。 このような力は、どんな分野の学びを通しても得ることができます。受験生の皆さんは、大学や学部選びにあまり振り回されないように。大学は入ってからが大事なのです。

私の研究

英語を勉強していて、「なぜ?どうして?」と思ったことはないで しょうか。「どうしてcanの後では三単現の-sがつかないの? 」「なぜbe動詞の疑問文や否定文ではdoがでてこないの?」な どなど、英語のきまりごとの理屈がわからずモヤモヤしていた人はたくさんいるのではないでしょうか。このようなモヤモヤは、受験勉強では「そういうものとして覚えるしかない」と片付けられてしまいます。それはある意味仕方のないことです。なぜなら、 このような「なぜ?どうして?」を追求することは、人間言語という極めて複雑で精緻な体系が織りなす迷宮に足を踏み入れることに なり、受験生にはそんな余裕はないからです。しかし、 わざわざこの「ことばの迷宮」に飛び込んでいき、「なぜ? どうして?」を追求しようとする学問があります。それが私の専門分野である言語学です。

私は、言語学の中でも特に、「第一言語獲得」を研究の対象としています。この分野で追求される問いは、「こどもはどうしてことばを身に付けることができるのか?」です。具体的な研究活動としては、こどもの自然発話データを分析したり、幼稚園に出かけていって文の理解を調べる実験を行ったりします。このような研究は何年やっていても、決して結果が予想できるようにはなりません。こどもは常にこちらの予想を超える行動で、驚きと謎をもたらしてくれます。やればやるほど、「なぜ?どうして?」 が深まっていくのです。
こども対象の実験で使う小道具。これはまだまだほんの一部です
こども対象の実験で使う小道具。これはまだまだほんの一部です
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