2021年度「津田梅子賞」受賞者

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本学創立110周年を記念し創設した「津田梅子賞」は、今年で11回目を迎え、 全国からご推薦をいただきました。
選考の結果、今年度の受賞者は次の方に決定いたしました。

樋口 恵子 氏(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長、東京家政大学名誉教授)

 この度は、津田梅子賞を賜り、誠に光栄でございます。
津田梅子賞というと、幼いときアメリカに渡られ勉強なさった津田先生の面影を思い、もっと若い方が受賞すべきものではないかと、最初は尻込みいたしました。しかし考えてみますと、今、私たち日本人は、世界の中でも、少子高齢社会の最先端に立ち、特に平均寿命の長い日本女性にとって、老いの人生をどう過ごしていくか、どう新しく創造していくか、人間らしい社会をつくるかというテーマは大きな問題であります。私自身、平均寿命を超えた80代の末でありながら、同世代の人、少し若い人たちと共に、「人生100年のモデルケースは日本から始まった」と国際社会でいわれるようにと、活動を続けてまいりました。この度の受賞は、その意味でのお励ましと受け止め、ありがたく頂戴することにいたしました。

受賞者紹介

1932年、東京都生まれ。1956年、東京大学文学部美学美術史学科卒業。東京大学新聞研究所本科修了後、時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社での勤務を経て、フリーの評論家として現在に至るまで評論活動を展開。1986年から2003年まで東京家政大学教授、2014年から2020年まで同大学女性未来研究所所長を務め、現在は、NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長、東京家政大学名誉教授・同大学女性未来研究所名誉所長、高齢社会NGO連携協議会代表 (共同代表)。
著書に、『老いの福袋 あっぱれ! ころばぬ先の知恵88』(中央公論新社, 2021年)、『老ーい、どん!—あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』(婦人之友社, 2019年)、『サザエさんからいじわるばあさんへ 女・子どもの生活史』(朝日文庫、2016年)他。広く女性、更には男性に向けて情報を発信し、男女の生き方に関する問題提起を行ってきた。定年後、妻にまとわりつく夫を「濡れ落ち葉」と表現し、1989 年の流行語大賞・表現賞を受賞する等、社会への発信力が傑出している。
また、樋口氏は「評論家」という肩書では収まり切れない活動を行ってきた。その一例が 1983 年に仲間と結成した NPO 法人「高齢社会をよくする女性の会」で、現在も理事長を務めている。21 世紀に訪れる超高齢化社会を見通して、平均寿命が長い女性たちが「女性の視点」を踏まえ発言し行動していくことの重要性を訴え、趣旨としてきた組織である。1983 年と言えば、働く女性の差別撤廃を目指す男女雇用機会均等法の制定 (1985 年) 論議が激しかった時代だが、樋口氏は労働分野にとどまらず女性全体の地位向上や男女間格差の是正等の問題提起を続けてきた。
このように高齢社会の到来を見据え、様々な視点からの情報発信、政府への提言などを行ってきた樋口氏の業績は、先駆的な活動を展開した女性を顕彰する津田梅子賞に相応しいと言える。

2021年度津田梅子賞贈賞式

 2021年10月10日(日)、津田塾大学創立120周年記念式典および津田梅子記念会&ホームカミングデーの中で津田梅子賞贈賞式が行われました。当日は、残念ながら樋口氏のご参加は叶いませんでしたが、事前録画された樋口氏による受賞スピーチが会場にて上映され、同時にYouTube Liveでも配信されました。
樋口氏への賞状授与は10月13日(水)に本学千駄ヶ谷キャンパスにて行われました。
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