2019年度「津田梅子賞」受賞者

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本学創立110周年を記念し創設した「津田梅子賞」は、今年で10年目を迎え、 全国からご推薦をいただきました。
選考の結果、今年度の受賞者は次の方に決定いたしました。

山口 みつ子 氏(公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター前理事長)

受賞者紹介

1935年、東京都生まれ。跡見学園中学・高校を経て明治大学法学部卒。学生時代は雄弁部で活躍し、在学中、藤田たき先生の参議院議員選挙を手伝った縁で同推薦会代表の市川房枝参議院議員と出会った。
1959年卒業後、市川議員の公設秘書となり、1968年からは財団法人婦選会館(1962年創立。理事長市川。現公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター)の政治教育部主任、事務局長、市川没後は1993~2010年度常務理事、2015~18年度理事長を務めた。この間、市川が代表であった国連NGO 国内女性委員会や国際婦人年連絡会などの活動もサポートした。

以上の経過で山口氏は、市川房枝の目指した理想選挙、政党に中立な政治教育、女性の政治参画、そして女性運動のエンパワーメントのための諸活動を、婦選会館を拠点に60年にわたって継承し、発展させた。1994年には、縫田曄子元理事長(1986~92年度)の提案で市川生誕100 年記念事業の一環として、女性の地方議会進出を支援する市川房枝政治参画センターを開設し、山口氏はその企画運営を担った。また、全国各地で無所属の女性たちの選挙運動の指導、相談や講演活動を行い、女性の政治意識や男女平等意識を高め、政治参画を促す活動を実践してきた。東京都や内閣府ほか、自治体や国の男女共同参画行政に民間の立場で様々な提言を行い、実践活動にもとづく著作も行った。これらの活動への評価として、1999年度エイボン賞(社会功績賞)、2012年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰を受けた。

2019年は、平塚らいてうや市川房枝らが女性の政治的権利を取り戻す治安警察法の一部改正に成功した「新婦人協会」の創立から100年である。昨年、政治分野の男女共同参画推進法が成立し、これはここ数年の超党派女性国会議員の取組みと、女性団体や研究者らのロビー活動の成果だが、参政権獲得運動の歴史を継承する当財団や女性団体の地道な活動も世論形成の背景にあった。その一翼を担った山口氏は、2019年度「津田梅子賞」にふさわしいと考える。

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