2017年度「津田梅子賞」受賞者

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国谷 裕子氏
(キャスター)

積極的に世界に出て成長する機会を求め、教育を通して女性の生き方の選択肢を広げた津田梅子は私には特別な存在でした。それだけに津田梅子賞をいただき大変光栄です。様々な国内外の課題を報道の現場で伝えてきた中で、女性が活躍できることが社会全体を強くすると確信するようになりました。この賞を大きな励みに、地域や地球環境の持続可能性を高めていこうという機運が女性を核にしながら社会に広がっていくよう努めていきたいと思っています。

経歴

1957年、大阪府生まれ。父親の転勤に伴い高校時代まで米国、香港、日本で生活し、1979年に米国ブラウン大学を卒業後、帰国する。外資系生活用品メーカー勤務を経て、1981年からNHKにてニュースの英語放送同時通訳、アナウンス。その後リサーチャー、衛星放送のキャスター等キャリアを積み上げた。1993年より、同局総合テレビ「クローズアップ現代」のキャスターに抜擢され、昨年3月まで実に23年という長い間番組を支えてきた。

国谷氏は、目まぐるしく変化する社会において、人々が求める情報を届けるため、ジャーナリストとしての多角的視点で「フェアなインタビュー」を心がけ、「本当に伝えたいこと」を発信し続けた。報道という男性社会の中で信頼されるキャスターを目指して果敢に挑戦し続け、ジャーナリストとしての使命感をもって番組の長期継続に貢献した。
報道の最前線に長く携わる一方、ダボス会議(世界経済フォーラム)では世界の第一線の専門家のパネルディスカッションをとりまとめ、APEC(アジア太平洋経済協力)では事前会議にて「女性と経済」のテーマでモデレーターを務めた。これらの会議への参加を機に、女性の多様な働き方の支援について深い興味を示すようになった国谷氏は、「クローズアップ現代」においても他の先進国に比べて結婚や出産でキャリアを閉ざされる女性が多い日本の問題点を指摘し、女性の活躍や働き方を支援することが経済の活性化に繋がることを広く社会に発信した。同番組のキャスターを退任後は、2015年の国連総会で採択された「国連持続可能な開発サミット」で掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」の啓発活動に精力的に取り組んでいる。この活動は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指すものである。国谷氏のこうした活動は、国内の女性のみならず、多くの人々のよりよい未来を拓くための挑戦であり、津田梅子賞に相応しいと言える。

2017年度津田梅子賞贈賞式

2017年10月8日(日)、津田梅子記念会&ホームカミングデーの中で津田梅子賞の贈賞式が行われました。

受賞者・国谷裕子氏によるスピーチ
髙橋裕子学長と国谷氏(右から2人目)
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