平成24年度大学間連携共同教育推進事業

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〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援

津田塾大学は、平成20年度「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」に採択された「社会貢献は書く力とプロジェクト推進力から」の取組で、2008年11月に、学生の「書く力」を磨く場としてライティングセンターを設立しました。本センターはこれまで、文章の個別指導を行うほか、さまざまな講座や講演会シリーズなども開催し、学生のコミュニケーション力を高め、リーダーシップを発揮する女性を育てることで、社会に貢献できる人材の養成を目指してきました。
今回、文部科学省が募集した平成24年度大学間連携共同教育推進事業に、本学と関西大学とが連携取組として申請した「〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」が採択されました。本学のキャリア支援を重視したライティングセンターと関西大学のアカデミック・ライティングを中心とした卒論ラボが連携することで、本学のライティングセンターの活動をさらに充実させていく計画です。

「自分の考えを自分の言葉できちんと表現できる」能力の涵養は、本学の3ポリシーの基軸の一つです。本取組では、ライティング支援を通して〈考え、表現し、発信する力〉を育成します。アカデミック・ライティングとは、資料を探索し読解し理解する力、データを分析し総合する力、自分の見解を論理的に考え、構成して表現する力、それを発表して相手に伝える力、さらには、相手とコミュニケーションをとり、その中で相互理解を形成する力に至るまでの多様な力を含むものと捉えています。〈文章を書く〉という最も基本的な力を核にして育成されるこのような〈考え、表現し、発信する力〉は、社会の中でコミュニケーションをはかりながら主体的に考え生きていくために必須な力であり、そこにおいてライティング支援とキャリア支援は表裏一体の関係にあると言えます。文章作成だけでなく、もっと幅の広い発信 力を本取組では培いたいと考えています。
具体的には、次の二つの目的を達成したいと考えています。

1.「主体的学び」の確立による大学教育の質的転換

現在求められている学士課程教育の質的転換を実現するためには、学生の基礎的能力の向上と主体性の獲得が不可欠ですが、授業カリキュラムだけではその実現は十分ではありせん。そこで、ライティングセンターが授業、課外活動や就職活動等と密接に連携し、個々の学生のニーズに対応したサポートを実施します。これによって、学生の主体的態度が涵養され、学修時間も増加することで、教育の質的転換が図れるようにと考えています。

2.主体的に考えると同時にコミュニケーションを形成・深化しうる人材の育成

学士課程教育を通して、社会に求められる多様な能力が育成されることによって、学生のキャリア形成を促し、社会の中で主体的に考えると同時にコミュニケーションを形成・深化しうる人材を育成することを目指しています。このような人材は、予測困難な時代の中で、社会への主体的な関わりを通して、21世紀の新しい男女共同参画社会を推進していける人材でもあります。こうした人材を育成して社会に送り出すことを、本連携取組の最終的な目的としています。

日本よりも先んじて大学の大衆化を迎えた米国では、初年次教育だけでなく、学部教育の全段階において、個々の学生のニーズに応えられるアカデミック・スキル向上のための支援が豊かに展開されてきました。その核となってきたのが「ライティングセンター」ですが、現在では単に文章の指導ばかりでなく、ICT技術の進展とともに登場したパワーポイントなどの発表ツールの活用にも対応した、〈考え、表現し、発信する力〉を向上させる支援が効果的に施されています。このような先進的な事例も参考にしつつ、関西大学との連携事業を通して、全国のモデルとなるようなライティングセンターを目指していきたいとこれからの5年間を見据えて様々な計画を立てています。
具体的取組としては、[1]ライティングセンターの機能拡張による支援体制の充実、[2]ライティングに特化したeポートフォリオシステムの開発、[3]客観的な評価指標の確立、[4]教育カリキュラムとの密接な連動、[5]多様な社会連携を実施します。The Writing Centers Association of Japan、国立女性教育会館、朝日新聞社等の多様なステークホルダーとも密接に連携して、日本の教育環境に適したライティングセンターを整備していきます。
今回の事業の申請のために、関西大学とは20回近くのテレビ会議等を通じて意見交換を行い、これまで培ってきたリソースを互いに活用しあいながら、より効果的なプログラムを構想できるよう工夫を重ねました。学生の皆さんのさらに積極的なライティングセンターの利用を期待しています。活動内容の詳細は本学ライティングセンターのウェブサイトをご参照下さい。

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