CAMPUS REPORT

  1. HOME
  2. 学生生活
  3. 高橋裕子学長と藤本壮介氏のキャンパスツアー(後編)

2019/5/24

高橋裕子学長と藤本壮介氏のキャンパスツアー(後編)

小平キャンパスツアー

4月24日(水)、校舎の将来的な建替えも視野に入れた、小平キャンパスのマスタープランの設計を担当するマスターアーキテクトとして株式会社藤本壮介建築設計事務所(東京都江東区 主宰 藤本壮介)をプロポーザル方式によって選定したことを発表しました。
その2週間程前、新年度・新元号・新紙幣の不思議な高揚感と新緑と桜に包まれた小平キャンパスで、高橋学長とマスターアーキテクト 藤本壮介氏の「キャンパスツアー」が和やかな雰囲気の中、行われました。
今回はその後編をお届けします。

前回から始まった高橋裕子学長と藤本壮介氏との小平キャンパスツアー。
後編では、キャンパス内のどちらに訪れるのでしょうか。


学生寮

津田梅子墓所の後、東寮に立ち寄りました。
小平キャンパス内には、東寮・西寮・白梅寮の3つの学生寮があり、
各寮とも寮生たちが決めたルールに則って運営されています。
本館と同じ1931年竣工の東寮。照明の細部にも当時の意匠を感じます

東寮の玄関にある照明。細やかな紋様が施されています

図書館、津田梅子資料室

その後、図書館と津田梅子資料室へ。
1954年に丹下健三氏の設計によって建てられた図書館は、星野あい第二代塾長(初代学長)を記念して「星野あい記念図書館」と呼ばれています。


1871年、横浜を出港した岩倉使節団一行とともにアメリカに向かった津田梅子が着用していた着物
1984年、本館の屋根裏から発見されたアナ・C・ハーツホンのトランク。 中には、津田梅子自筆の膨大な量の書簡が収められていました

 「星野あい学長時代、来客用に調製された梅の絵柄が施されたカップ&ソーサーです。
2024年度からの新紙幣が発表される前日、財務省と国立印刷局の担当の方が小平キャンパスを訪れ、津田梅子が5千円札の肖像に採用されたことを伝えられた際も、こちらのカップ&ソーサーでお茶を召し上がっていただきました。」

梅の絵柄が施されたカップ&ソーサー

丹下健三氏の設計による図書館

藤本壮介氏からのコメント
「20世紀を代表する建築家である丹下健三さんによるこの図書館は、そのシンプルさゆえに、丹下建築の魅力がとても純粋に現れている場所だと感じました。凛として立ち並ぶ柱と高い天井の空間は、緊張感とおおらかさを併せ持ち、大きなガラス壁面から見える津田塾の美しい緑と光は、学びの尊さを格調高く空間化しています。その姿は、竣工から60年以上が経ってなお胸に響くものがありました。この場所をどのように未来へと受け渡していくのか、想像が膨らみます。」

 

 

記念館

 図書館を後にして、高橋学長お気に入りの桜スポットへ向かいました。
記念館上階からの桜景色。 まるで「桜の雲」の上にいるようです
桜の絶景に自然と笑みがこぼれます

大学ホール

桜の絶景を楽しんだ後は、大学ホールのラウンジにある喫茶カフェ ルポへ。
大学ホールは、ランチタイムや授業の合間など、いつも賑わっています。

被爆桜

短い休憩の後、センターオフィス前の「被爆桜」の見学に訪れました。

被爆桜について

小平キャンパス内にある「被爆桜」は、2011年に広島県の安田女子高等学校から寄贈されました。

1945年8月に原爆が投下された際、爆心地から2.1kmのところでこの桜の木は被爆。
当時、そこは陸軍の兵舎でしたが、より爆心地に近い場所で大きな被害を受けた安田女子高等学校のある安田学園がその場所に移転しました。
2009年から、同校生徒会が中心となって、全国の学校などに桜の苗木を送り、被爆桜の命を後世に伝えていく活動を始めました。

桜の命をつなぎ、平和のメッセージを伝えています。
 

THE STOWE DOGWOOD

被爆桜の開花を確認した後、交流館前庭に植樹されているTHE STOWE DOGWOOD(ストウ夫人邸のはなみずき)に向かいました。

THE STOWE DOGWOODについて

2002年、「アンクルトムの小屋」の著者 ストウ夫人の精神を受継ぐハリエット・ビーチャー・ストウ・センター(アメリカ、コネティカット州ハートフォード市)は、「アンクルトムの小屋」出版150周年を記念し、ストウ夫人邸の「はなみずき」の苗木を世界各地に植樹することにしました。

ハリエット・ビーチャー・ストウ・センターは、津田塾大学が日本の女子高等教育のなかで大きな役割を果たしてきたこと、そして現在も男女の真の共生と協力をめざし、またグローバルな諸問題の解決のためにイニシアティヴを発揮する女性を育成・支援していることを高く評価し、日本で唯の記念植樹先として本学を選定しました。

「はなみずき」の植樹式は、ハリエット・ビーチャー・ストウ・センター長、駐日米国大使夫人、日本アメリカ文学会会長、小平市長等の来賓の出席のもと2002年10月24日に行われ、苗木は交流館前庭に植樹されました。

この「はなみずき」は、ストウ夫人邸に150年以上も生息していたもので、小平キャンパスにしっかりと根付き成長し、ピンク色の花をつけてくれます。
植樹式当日の様子。植樹するナンシー・ベーカー・カセバウム駐日米国大使夫人(左)、 志村学長(中央)、キャサリン・ケーン・ストウ・センター長(右)
(職位は在職当時のもの)

時折、立ち止まって話し込む二人。
晴天の空の下、新緑のカーテンに包まれながら、多くの議論を重ねました。
 

本館 南玄関

最後に、本館の南玄関へと向かいました。
「南玄関前に客人の車が停車し、車を降りた瞬間、小平キャンパスの豊かな自然が目の前に広がり、客人が喜ぶのです」

キャンパスツアーを終えて、本館 南玄関からの緑景を眺める二人。小平キャンパスのどのような未来の姿を思い描いているのでしょうか

小平キャンパス全体図

キャンパスツアーを終えて

津田塾大学学長 髙橋裕子

快晴に恵まれた4月11日の朝。 桜と新緑の美しさに圧倒されながらキャンパスの中を巡りました。津田梅子の墓地も擁しているこの<地>には、創立者の魂が宿っています。英語が敵性語となった戦時中など、幾多の危機も全力で乗り越えてきた女性たちの叡智も脈々と息づいています。津田梅子の盟友であったアナ・ハーツホンや後継者の星野あいが、このキャンパスに込めた勇気、情熱、志。例えば、佐藤功一氏設計の本館に、丹下健三氏設計の図書館に、それらがどのように継承されているか、藤本壮介氏に感じ取っていただけたかと思います。この学び舎から「変革を担う女性たち」が輩出し、そしてその女性たちの「長い列」が、22世紀にまで続くキャンパスになるようにと祈念しつつ、先達の足跡を辿る豊かな時間でした。

藤本壮介建築設計事務所 主宰 藤本壮介氏

新緑と桜が美しいキャンパスを学長と巡る体験は、楽しく貴重なものでした。武蔵野の森の中で様々な場所や逸話が語られる津田塾の小平キャンパスは、それ自体が一つの豊かな生態系のように感じました。キャンパス全体が、津田塾大学という一つの強いアイデンティティを放ちながらも、それぞれの場所は個性豊かな多様性を備えています。個々の場所が持つ歴史や言い伝えや思い出の場所たちの記憶、大勢が集う場所から静謐な場まで、様々な豊かさが重なり合うことで、一つの凛とした総体を作り上げています。そのような多様な個を見つめ、尊び、新たな個性を重ね合わせながら、その先に、変わらず貫き通される津田梅子のビジョンと津田塾のアイデンティティを未来へと受け渡していきたいと、改めて感じました。
Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.