レジリエンスとは「回復力・復元力」という意味です。しかし、日本語では「強靭性」という訳語があてられることが多く、「いざという時のために余剰・余分を持っておくこと」に注意が向きがちです。しかし、仮に「余剰・余分」があったとしても、それを活用する仕組み(情報システム・法体系・人材)がなければ、「回復・復元」はできません。3.11(東日本大震災)から10年、私たちは、その「いざという時」がさほど稀ではない、ということを実感し、また事象によって回復・復元の方策、事業継続計画(BCP)も異なることを学びました。
今回のシンポジウムでは、地震・自然災害・感染症など、様々な避けられないショックから、「如何に回復・復元するのか」、また過去の反省を踏まえて「見直さなければならない平時のシステムは何か」を、緊急時のライフラインの1つである病院を軸に、医療情報・病院経営・医療法の各専門家の知見から考えたいと思います。