伊藤 由希子 教授

  1. HOME
  2. 学部・大学院
  3. 伊藤 由希子 教授
伊藤 由希子先生 伊藤 由希子先生

高校生へのメッセージ

Policy Studiesは、学部名としては「総合政策」と訳されますが、必ずしも政府の「政策」ばかりが対象ではありません。Policyという語には、個人の「考え」、組織の「方針」といった意味があります。要は社会に対して示されている様々な「考え」から学び、新たな「考え」から社会を創ることを目指す学問です。「考える力を付けたい」「生きる上でぶ れない考えをもちたい」と志している方との出会いを楽しみにしています。

私の研究

「位置情報」と「経済活動」の情報を組み合わせて、よりProductive(生産性が高い状態)であるためには何が決め手になっているのかを検証しています。対象が人であれば、「どこに移動して生産・消費をするか」という問題になりますし、対象が場所であれば、「どのようにその場所の価値を高めていくか」という問題になります。

Productivity(生産性)の計測は奥が深い話ですが、例えて言えば、同じ食材を使っても調理によって美味しさが変わるのと同じで、企業ごと、場所ごとに大きく異なっています。
また、同じ食材なら「出来る限り美味しく食べたい」はずです。料理で言えば、調理技術などのサービスの質を高めたり、人々の嗜好や関心を捉えようと試みたりするように、そのテーマのデータから生産性の要因や生産性を高める手段を特定してゆく研究をしています。

「実験」が難しい社会科学では、世の中にある様々な経済活動のデータを入手し、一定の因果関係の仮定(理論)を手がかりに、その内容を検証しています。私は、これまでは「貿易」のデータと、「医療」のデータをよく扱ってきました。「貿易」のデータからは、国際的な価格や品質の競争と、企業の生産性の関係が捉えられる面白さがあります。「医療」のデータからは、地域的な要因と、医療サービスの生産性の関係が捉えられる面白さがあります。

いずれも、限られた資源を地域間・地域内でどう工夫して使えば生産性は高くなるのかという点で同じ問題意識があります。また日本のこれからの国際的な役割や、国内における資源配分の在り方といった、大きな社会課題のヒントとなる点でもやりがいを感じています。
Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.