下谷内 奈緒 講師

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南 諭子先生 南 諭子先生

高校生へのメッセージ

学芸学部の「学芸」に相当するリベラル・アーツは、古代ギリシャにおいては公的活動に従事する(奴隷ではなく)自由市民のための教育として、中世以降の欧州では政治や宗教の権威からも自由な教育として行われてきたものです。ここでいう自由とは、決して自分勝手に行動することではなく、自身の思い込みや社会的なしがらみから解放された、より良い生き方を模索する自由です。正解のない問いに根気強く取り組み、深い教養と専門性を身に着けた、真の自由人になることを応援します。

私の研究

専門は国際政治学ですが、国際法と交錯する領域、特に国際社会における正義と秩序の関係に関心をもって研究しています。国家の上位に中央集権的な(世界)政府が存在しない国際社会では、各国は自国の利益を追求しがちであるため、秩序をいかに維持し、平和を創造するかが国際政治学の主要な関心事でした。しかし近年では多くの国際条約やルール、国際機構がつくられています。
そのなかで私は国際刑事裁判を題材に、紛争後の社会が、いかに過去の重大犯罪と向き合うかについて研究してきました。国際刑事裁判所(ICC)の設立に象徴されるように、国際社会ではジェノサイドや戦争犯罪といった重大犯罪を処罰する規範が形成されてきました。しかし現実には大国が関係する事態の捜査は回避されたり、民主化や紛争終結といった国内秩序の安定を優先するために、権力者の処罰に抑制的な見解が根強く残っていたりします。世界はより公正な社会に向かっているのか、そのための課題は何か、というようなことについて考えています。

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