柴田 邦臣 教授

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柴田 邦臣先生 柴田 邦臣先生

高校生へのメッセージ

津田塾の国際関係学科が、他の大学とちょっと違うと感じるところは、「国際だからって別に外国好きだったり英語好きだったりするわけではない」ところです。むしろ、自分にとって身近な日常生活での違和感を考えたいという人が集まっています。それは学科開設からの伝統に従うと「主体に発する問題意識」と呼ぶことができるかもしれません。身の回りの疑問が世界に繋がり、ないしは自らが生きる社会そのものを知る契機となる。そんな学びを一緒に実現しましょう。

私の研究

これまで「できないことができるようになると、世界が変わる」ことについて、ずっと考えてきました。分野としては社会学・社会福祉学で、テーマとしては「障害・能力」と、それを支える「アシスティブ・テクノロジー、IT、メディア・コミュニケーション」をフィールドとしています。

これまで、「何かができない」ことはマイナスで、自分の努力が足りないからだと思われてきました。だからといってスマホ無しで友達と連絡を取れる人がいるでしょうか。眼鏡やコンタクト無しでは黒板が見えない人はどうでしょうか。そういう私たちと、いわゆる「障害者」・・・補聴器がなければ聞こえない人、車いすがなければ学校に通えない人とは、はたしてどれくらい違うといえるのでしょうか。

私たちが身につける「能力」は、社会環境によって構成されています。さらに近年は、テクノロジー・・・スマホといった身近なものからAIなど近未来のものまで・・・によって大きく規定されつつあります。そのような身体とテクノロジーをめぐる社会関係を解読し、私たちの可能性を追求することが、現在の研究テーマです。最近は特に、できるようになる「教育」のインクルーシブなあり方・・・EdTech(教育の情報化)やSTEM(科学教育)にも注目して考えています。

社会学にとってドラマチックな舞台は、自分の身近な日常にすでに用意されています。私たちが生きている現代日本は、4人に1人が高齢者で、子どもの10人に1人が発達障害などのユニークな特性をもつと言われる、まさしく“最先端”の社会です。そんな特別な時代のなかで、自分にできることを探し続けたいと思っています。
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