小島 敬裕 教授

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小島 敬裕先生 小島 敬裕先生

高校生へのメッセージ

世界の様々なことがらについて理解を深めるためには、まず文献を読んで、前提となる基礎知識を身につけておくことが必要です。それと同時に私自身が大切にしているのは、フィールドに出て、人々の生きる世界に入り込み、足を使って社会の現実を直視していくことです。大学では、学生たちが現場で得てきた貴重な知見をどう魅力的に表現するか、学生同士、そして教員との対話の中で考えていきます。そうした愉しみを共有できる仲間を求めています。

私の研究

私は今まで東南アジア大陸部を中心とする上座仏教徒社会でフィールドワークを行い、人々によって生きられる宗教実践のあり方を、地域社会や国家との関わりから明らかにしてきました。
第一の研究課題は、中国とミャンマーの国境地域に住む少数民族の仏教実践を明らかにすることです。院生時代から徳宏タイ族の村落に住み込みながら調査を行ってきましたが、当時はのどかな農村だった私のフィールドも、近年では中国における開発の進展などにより、住民の生活にも大きな変化が生じています。そうした状況における地域社会の動態を、仏教実践への注目によって解明することが現在の研究テーマです。
第二の課題は、日本人とミャンマー上座仏教の歴史的な関係を、文献や聴き取り調査によって明らかにすることです。日本人とミャンマー上座仏教の関わりは意外に古く、戦前にまで遡れます。戦後も、戦没者慰霊や、戒律、瞑想実践への関心から、日本人はミャンマーの上座仏教と関わってきました。このような国境や仏教の相違を越えた両者の交流と断絶に焦点を当てています。
第三の課題は、ミャンマーにおける山地民と平地民、仏教徒とイスラム教徒、キリスト教徒など民族間・宗教間の関係の実態解明です。ミャンマーでは現在、民族間・宗教間の共生的な関係の構築が重要な課題となっており、その解決にもこうした基礎的な研究が貢献しうると考えています。
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