市川 裕史 准教授

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市川 裕史先生 市川 裕史先生

高校生へのメッセージ

フランスの哲学者ジョルジュ・パラントによると、(とりわけ教育者の語る)「希望」はあなたを隷属されるための嘘である。だから絶望せよ。この地獄で自分のやりたいことが何か問い直せ。あなたが切実にやりたいこと、それはたぶん今の能力ではできない(今の能力でできることを20~30年続けられるだろうか。)だから能力を高めよ。教えてもらうのではなく技を盗め。明日やろうと思ったら明日は永遠に来ない。バカを口実にするな。インターネットを信用するな。

私の研究

フランスロマン派研究。詩人が地獄の廃絶や理想的恋愛を歌い、小説家が人間存在のすべてを描きパラノーマルな存在を喚起しようとした時代であり、また、ヨーロッパ文化の中心地パリにおいて美術が革新され、ドラマ、メロドラマ、オペラ、シャンソンなどが花咲き、それが新たなメディアとしての新聞によって記録された時代。『シュルレアリスム宣言』によると「ユゴーはバカでないときシュルレアリストだった」が、ユゴーはバカなとき愉快なポピュラー演劇、ポピュラー小説を書いた。バカなユゴーより愉快な作家はたくさんいるが、愉快なだけでは退屈。だからバカなユゴーをバカにしてはならない。ロマン派的ポピュラー小説が、19世紀末のラシルドやカチュール・マンデスを経て、今日のヴィルジニー・デパントやパトリック・ウドリーヌに通じている、とオレは考える。同様にベランジェがアリスティッド・ブリュアンを経て今日のパンクロックやヘヴィメタに通じている。しかし、ロマン派時代が今日を先取りしていると考えるのは単純すぎる。相違にこそ歴史的価値がある。ミュータントの呪いと愉悦がある。
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